思えば最初から騙されていた

どうしようも行き場の無いこの感情をどうすればいいの!?ねぇ!?ああ、電車を逃した後輩の時間つぶしに付き合って一緒にスタバに寄ってる場合じゃなかった!!……いや、むしろ良かったのかもしれない。後輩が一緒じゃなくてもスタバあたりでコーヒー飲みながら一気に読みきろうと思っていたし。だってもう、この結末を外で読んでいたら呆けてしまって、家にちゃんと帰れる自信が無い。

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

ちょうど去年の秋頃にガリレオシリーズを読み始めたとこの日記に書いた記憶があるのですが、未読だったシリーズ三作目が文庫で発売されていたので早速読みました。ちなみに、最近ハードカバーの本を買わなくなったのは収納場所の問題です。ハードカバーでかい。
この一冊前に読んでいた本が結構も何もアイタタタタだったので(感想を書いたのはいいけど、文句しか出てこなかったから載せるのはやめました…)、期待して読み始めたガリレオさん。ええもう、脳内で福山雅治が動き回るわ、喋るわ。本当にすばらしいことですね。しかも苦痛に顔を歪ませるなんて描写を見たらね!うふうふふふふ……と、顔を緩めるとでも思うかー!!!あまりにもつらいシーンで一緒に顔を歪ませていたわー!!!!!
今回の話は今までの短編と違って、物理法則がどうのこうのというトリックではありませんでした。そのぶん、提示された伏線や状況を見てあれやこれやと推理妄想も働くものです。今思うとそこからすでにトリックにかかっていたのだと思いますが。最後の最後まで見事にだまされました。何も問題ない、普通の推理小説だと思わせておいて最後で明かされる事実と真実。また、その真実に対しての各々の決断…とラスト。正直なところ読み終わるまでは、帯にあるアオリ「全ての真実を知ったとき、胸の震えが止まらない」は大げさだと思っていました。直木賞やこのミス1位って本当かよ、ぐらいの気持ちでいました。…ごめんなさい、ラストで泣きました。泣かせていただきましたとも。期待以上でした。今年のむぎミス1位でいいです、もうあとの4ヶ月知らない。
東野圭吾は本当にラストが上手だなぁ。そうよ、こういうラストじゃないと…ね…と一冊前に読んだ本の表紙を眺めつつ思うのでした。今後はミステリーはミステリー屋さんに任せることにします。